親の土地に家を建てるなら注意するべきポイントがあるってホント?
親の土地に家を建てさせてもらえたら、費用も安く済むので助かりますよね。しかし、実際は税金や相続対策など気をつけるべき点がいくつかあります。タダで借りるかお金を払って借りるかによってかかる税金も変わります。この記事では、親の土地に家を建てるときに注意するべきポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
土地を借りるのはタダだけど…税金がかかる!?
そもそも親の土地をタダで借りてもいいのか気になる人もいるかもしれませんが、タダで借りることは問題ありません。しかし、親の土地をタダで借りるときには「贈与税」と「相続税」のことも頭に入れておきましょう。ここでは、親の土地をタダで借りるときの税金について解説します。
少しでもお金を払うと贈与税がかかることも
親の土地を借りる場合、贈与税はかかるのでしょうか。結論として、タダで土地を借りるときには贈与税はかかりません。タダで土地や財産を借りることを「使用貸借」といいます。使用貸借として親から土地を借りている場合、その土地は親の思い通りに使える土地です。
もし親から退去を命じられたらすぐに応じなければならず、使用貸借の権利はとても弱いものです。そのため、贈与税は生じません。しかし、少しでもお金を払うと「使用貸借」ではなくなり、贈与税がかかる可能性があるので注意しましょう。
タダで借りている土地の相続税は高くなる
子が使用貸借で借りている土地は、土地としての評価は高くなります。親に所有権があり、100%親が思い通りに使える土地(自用地)であるため、高く評価されるからです。将来的に相続で土地を取得した場合、課せられる相続税は高くなることを頭に入れておきましょう。
【ケース別】親の土地に家を建てるなら検討しておくべき税金
親の土地を借りる場合、タダで借りたほうがよいのかお金を払ったほうがよいのかは、ケースバイケースです。どの点に重きを置くかによって変わりますので、かかる税金を考慮したうえで決めましょう。ここでは、ケース別に検討すべき税金について解説します。
親の土地をタダで借りる
親の土地をタダで借りるときに注意するべき税金は贈与税です。一切お金を支払わずに親の土地を借りるなら「使用貸借」となり、税金はかかりません。しかし、金額によりますが、少しでもお金を払ってしまうと贈与税が発生することがあります。土地を貸してもらうお礼として気持ち程度にお金を払いたいこともあると思いますが、注意が必要です。
お金を払って親の土地を借りる
お金を払って親の土地を借りるときに支払うのは、土地の地代や権利金です。支払う内容によって「贈与税」「所得税」「住民税」に気をつけなければなりません。地代だけ払っている場合、金額によっては子に贈与税がかかる可能性があります。地代のほかに権利金も支払っている場合、贈与税は生じませんが、親に所得税や住民税がかかります。
タダで親の土地を譲り受ける
親の土地をタダで譲り受けた場合、不動産を取得したことにより、子にはいくつかの税金が発生します。具体的には「贈与税」「不動産取得税」「登録免許税」などです。贈与税に関しては、2,500万円までは贈与税が控除される相続時精算課税制度を利用することで、非課税にできる場合もあります。
相続対策はしっかりしておくのがおすすめ!
相続対策も、親の土地に家を建てたときに注意するべきポイントのひとつです。親が亡くなったときに親の土地をどうするかで子ども同士がもめる可能性があるので、しっかり対策しておきましょう。主な相続対策には次のようなものが挙げられます。
・遺言書を残しておいてもらう
・生前贈与をしてもらう
・生命保険や預貯金で代償金を用意しておく
親が元気なうちに、財産についての遺言書を書いてもらいましょう。家を建てた子が土地を相続するなら、相当の預貯金を兄弟が相続するなど、公平に財産を分けられるようにしてもらうことが大切です。相続に関しては、相続人が最低限相続できる「遺留分」の権利に注意が必要なため、司法書士や弁護士などに相談して作成するのが確実です。
また、土地を生前贈与してもらえば土地の権利が手に入るため、遺産争いを避けられるでしょう。生前贈与されていない場合、ほかの兄弟に同等の価値の財産を渡す必要があるため、親の生命保険や預貯金で代償金を用意できるようにしておくことも対策のひとつです。
まとめ
親の土地に家を建てるときに注意するべきポイントについてお伝えしました。タダで土地を借りる場合は税金がかかりませんが、少しでも支払うと贈与税が発生する可能性があるので注意が必要です。タダで借りるかお金を払うかで土地の価値が変わり、相続税にも影響します。親が亡くなったときに子ども間でもめることのないよう、相続対策をしっかりしておくことも大切です。あとになって問題が起きないよう、税金や相続問題について理解しておきましょう。